2025.07.03| PR|

日本のコネクテッドカー販売台数、2025年第1四半期は前年同期比34%増:国内OEM各社のデジタル化が加速

【東京、北京、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、ソウル、台北 – 2025年7月2日】

カウンターポイント・リサーチの最新の「グローバル・コネクテッドカー・トラッカー」によると、2025年第1四半期における日本のコネクテッドカー販売台数は、国内自動車メーカーによるコネクティビティ対応車両の展開加速により、前年同期比34%増と大きく成長しました。この動きは、車載デジタル機能への消費者の関心の高まりと、自動車メーカーの継続的な投資によって支えられています。

市場動向の詳細
・日本のコネクテッドカー販売台数は、2025年第1四半期に前年同期比34%増となりました。

・トヨタグループは、T-Connectプラットフォームの普及と販売回復を背景に、市場シェア43%を獲得しました。

・トヨタの「T-Connect」、日産の「NissanConnect」、スズキの「Suzuki Connect」などのサービスが、国内ドライバーに利便性・安全性・メンテナンス機能を提供しています。

・国内自動車メーカーは5G接続の展開を本格化しており、スマートシティやクラウド型サービスとの連携強化が期待されます。

 

Japan’s Connected Car Sales Share by Auto Group, Q1 2025 vs Q1 2024

Source: Counterpoint Research Global Connected Car Tracker
Note: Percentages may not total 100% due to rounding

 

Connected Car Sales Share, Toyota vs Next 3 Auto Groups

Source: Counterpoint Research Global Connected Car Tracker
*Combined market share of Renault-Nissan Alliance, Suzuki Group and Honda Group

トヨタを中心に市場が回復、5G展開により今後さらに成長へ

2025年第1四半期の日本市場では、トヨタグループがコネクテッドカー販売において最も大きな伸びを示し、市場シェア43%を獲得しました。特に2024年にダイハツの生産停止や認証不正などで大きく減少した販売台数が回復し、前年比58%増という力強い成長を遂げました。クラウンシリーズやカローラスポーツ、RAV4、クラウンエステートなどの人気車種にはT-Connectが標準搭載され、国内戦略の中核を担っています。

T-Connectは、緊急時のオペレーターサポート、常時接続のナビゲーション、リモートコントロール機能、メンテナンス通知などを備えており、安全性と利便性を両立した車内体験を提供しています。車載Wi-Fiや人気アプリとの連携により、日常生活の中で自然に活用されるコネクティビティ機能として定着しつつあります。

専門家の解説
カウンターポイント・リサーチのアソシエイトディレクター、グレッグ・バシッチは次のように述べています。

「トヨタは長年にわたり日本市場でコネクティビティ機能を提供してきました。NTTドコモとの共同開発によるモビリティAIプラットフォームをはじめとする取り組みは、事故ゼロ社会の実現に向けたものです。通信インフラやAI、車両に搭載された各種テクノロジーの融合によって、トヨタは社会的課題に対応しています。」

また、リサーチアナリストのアビラッシュ・グプタは以下のようにコメントしています。

「日本のコネクテッドカー市場は急速に成熟しており、OEM各社はセルラー接続を贅沢なオプションではなく、標準機能として導入しつつあります。これは消費者ニーズへの対応であると同時に、グローバル市場での競争力維持を目的とした戦略的選択といえるでしょう。」

他メーカーの動向と今後の展望
ルノー・日産・三菱アライアンスは、日産のNissanConnectを通じて、リーフ、アリア、エクストレイル、セレナなどでEV向けのコネクティビティ機能を強化しています。特に充電管理や航続距離予測、近隣充電器の検索といった機能は、日本市場におけるEVユーザーのニーズに応えています。

スズキはSuzuki Connectを中心に、リモート車両状態確認、リアルタイムメンテナンス、運転履歴管理、緊急支援サービスなどを提供し、安全性と利便性、そして持続可能性の強化を進めています。これにより、コンパクトモビリティ市場におけるリーダーシップを目指しています。

今後、日本のほとんどの自動車メーカーが5G接続を段階的に導入する計画であり、5Gインフラの進展に伴い、スマートシティシステムやクラウドベースサービスとの連携が一層進むと予想されます。

さらに、AIを活用した予知保全や車内サービスの最適化が進むことで、日本特有の社会課題(高齢化・都市渋滞など)にも対応した新たなモビリティモデルが登場する可能性があります。

※ここでの販売台数はブランド別の工場出荷ベース(卸売ベース)であり、コネクティビティを搭載した乗用車のみを対象としています。

レポート購入案内
より詳細な市場動向やデータは、「グローバル・コネクテッドカー・トラッカー 2025年第1四半期版」でご確認いただけます。当レポートは、当社のポータルサイト(report.counterpointresearch.com)よりご購入いただけます。

カウンターポイント・リサーチについて
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